陰陽師の原像 : 節約 民衆文化の辺界を歩く

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「陰陽師の原像 : 民衆文化の辺界を歩く」沖浦 和光定価: -#沖浦和光 #沖浦_和光 #本 #歴史/日本史空前の安倍清明ブームの中,陰陽師は呪術を操る英雄として描かれている.しかしその実像は違う.各地を遍歴しながら卜占・祈祷・修祓・呪禁などの民間信仰を担い,猿楽や曲舞などの余興を演じた.出自は鉢叩き・茶筅・院内・夙・宿などと称された雑種賤民が多い.本書では民衆の中に生きた陰陽師の姿を歴史的に明らかにする.■著者からのメッセージ 本書で論じた陰陽師は,安倍晴明に代表されるような朝廷に仕えていた官人陰陽師ではない.古代からのの仲間とみなされ,その社会的ポジションも低いとされていた民間陰陽師である. 中世前期の時代では,かなりの史料が残っている官人陰陽師に比べると,民間陰陽師の関連史料は微々たるもので,その実像が具体的に描かれることはなかった. 室町時代に入ると,さまざまの史料に民間陰陽師が姿を見せるようになった.彼らは,農耕を基幹とせず,雑業・雑技にたずさわり,得体の分からぬ巫術や卑俗な遊芸にたずさわる「道の者」として出てくる.そして彼らの民俗と生活は,日本文化史の隠微な闇の領域として歴史の深部に埋め込まれてきたのであった. しかし,彼らが産み出した〈遊芸の世界〉は,「既成の中心的秩序をゆるがす豊饒な闇であり,新たな混沌を予示する周縁の世界」ではなかったか――そういう問題関心のもとで,散所非人・声聞師などと呼ばれた下級の「」が,民間陰陽道だけではなく,広く遊芸の道を切り開いていく歴史についても論じた.

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